「稿輪舎」 第2期生 募集

「稿輪舎」 第2期生 募集 (2012年9月1日)

(株)コラボトリエは大学生と社会人を対象に、文章作成と取材を実践指導する「稿輪舎」の第2期生を募集します。

指導には、元日本経済新聞記者の坪田知己と、フリーライターの野田幾子が当たります。

下記のように、実践的な指導をします。

坪田、野田は新聞、雑誌、書籍について多くの文章を書き、さらにネットでの情報発信にも精通しています。基本的な取材、執筆の手法ばかりでなく、ネット時代にも通用する手法を伝授します。

将来、マスコミ業界を目指す人はもちろん、一般の会社でも、洗練された文章が書けることは大きな強みです。またインタビューのノウハウは調査や営業で客先と交渉する場合にも役立ちます。

内容的にはハードですが、少人数でみっちりと教え、添削指導を行います。

意欲のある方は是非チャレンジして下さい。



1) 期間 2012年10月から2013年1月まで

2) スクーリング 計6回(3週間おき。欠席者には補講があります) スカイプ参加もあり

場所は赤坂(アークヒルズの正面)

3) 費用 入塾費 1万円 スクーリング5000円×6回 トータル4万円

4) 受講資格 大学生、社会人、在宅の方もOKです。ご相談ください。

5) 定員 6名(少数精鋭主義です、全員に見違えるような実力をつけていただきたいということです)

6) 内容

 a)文章の書き方、構成法

   主にブログを意識して、読者の共感を呼ぶ文章にする訓練をする。1000−2000字の文章を、最低4本書いていただく。細かく指導、添削します。

b)インタビュー

   座学の後、実際にフィールドに出て、インタビューし、文章化する。

c)その他

講師の取材や執筆の経験について、お話しします。

全てについて、合格点の方には修了証を授与します。

《講師紹介》

坪田 知己

1972年 日本経済新聞社入社、87年まで社会部、産業部で記者

1984年 社会面企画「サラリーマン」で菊池寛賞を受賞(グループ取材)

1985年 日本経済新聞1面企画「21世紀企業」取材班キャップ

1989−91年 日経BP社「日経コンピュータ」副編集長

1991−94年 日本経済新聞 産業部デスク

2005−09年 日経メディアラボ所長

著書に『マルチメディア組織革命』(1994年 東急エージェンシー)、『2030年 メディアのかたち』(2009年 講談社)、『人生は自燃力だ!!』(2010年 講談社)、『ふるさと再生』(2010年 講談社)、など

1992−94年 日経サテライトニュースでキャスターを務める

2011年 BS11「ふるさと紀行」レポーターなど


野田 幾子

アスキー マックピープル編集部所属後、99年12月よりフリーランス

2000年よりソニーニコンパナソニック、日立など、企業ブランディングサイトの執筆やコンテンツディレクションに携わる。

2003年より取材、コピー、記事執筆を手がけたWebサイト「design yamaha」(ヤマハ)が2005年TIAA コーポレート部門金賞受賞。

2006年12月より、ニコンの会員制Webサイト「eNikkor Club」の編集長として立ち上げにかかわり、現在も継続中。

Web媒体での執筆/編集のほか、『日経ビジネス』、スポーツグラフィック誌『ナンバー』などでの執筆、書籍編集など、活動するジャンルは幅広い。共著に『mixiの本』ほか。


<Q&A>

Q:今なぜ文章塾を開設することになったのですが

A:2009年に、学生に取材させ、記事を書かせる「スイッチオン・プロジェクト」というものをやり、そこで、プロの手法を教え、添削したのですが、そのことで学生は大きく進歩しました。ノウハウだけでなく、ものの見方なども変わりました。この経験を、後進の人にも伝えたいと思ったことです。

<参考>スイッチオンプロジェクトでの記事の1例

http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/life/gooeditor-20090701-07.html

Q:スクーリングの内容は?

A:3週間おきにやります。そこでも作業をして頂きますが、スクーリングの間に宿題を出しますので、次のスクーリングまでに宿題をこなして、結果を報告していただきます。この宿題と、それに対する講評、添削が、講座の基幹部分です。

時間は塾生の都合を勘案して決めます。

Q:実際に取材するのですか?

A:仕上げとして、インタビューしてそれを原稿にする・・・というのが卒業作品になります。インタビュー力、質問力と、文章の構成力などを総合的に使うものですので、必ずやっていただきます。

Q:講師の過去の経験なども聞けますか?

A:どんどん質問してください。失敗談もたくさんあります。そのことでライターというものの実態がよくわかると思います。

Q:応募の資格は? 

A:0期生(2011年9月から12年2月まで)は、学生4人、社会人2人でした。年代は20代から50代まででした。1期生(2012年3月から8月まで)は、学生2人、社会人5人でした。このため、平日の午後7時から2時間のスクーリングを実施しました。

Q:申し込み、試験は?

A:簡単なプロフィールと志望理由(400字から1000字)をメールで送ってください。必要なら面接します。

Q:受講料などは、入塾前に払うのですか?

A:第1回目のスクーリングを受けていただき、第2回のスクーリング前後に、お支払いください。一方で、講師の方から「指導するに不適格」と判断した場合は、受講をお断りする場合があります。


≪重要≫申し込み

希望者は、簡単なプロフィールと志望理由(400字から1000字)を下記にメールで送ってください。必要なら面接します。期限は9月20日(木)とします。6人の定員が埋まった段階で、初回のスクーリング(10月前半を予定)の日程を決めます。

その他、お問い合わせも、メールでお願いします。

坪田(tomtsubo●gmail.com) (●を@に変えて、メールしてください)


稿輪舎を創るにあたって〜坪田知己(2011年8月)

このたび、株式会社・コラボトリエは、「稿輪舎」という教育事業を始めます。

これは、21世紀という時代に生きる私たちにとって大事な「情報発信能力」を鍛えるための私塾です。

日本の教育で致命的に欠落しているのは、「自分の考えを相手に伝える力」です。世界中の国がこの「伝える力」を国語教育の最大の眼目にしているのに、日本だけが、このことを小学校から大学までほとんど教えていません。

「言葉」は、人類が生み出したとても素晴らしい意思伝達手段です。それは、誰のものでもなく、自分のものなのです。

日本の国語教育は、芥川龍之介夏目漱石などの文豪の文章の読解に主眼を置いています。名文とはそうした文豪たちが書いてきたものだとされています。

そして、私たちは、何か素晴らしい文章があって、それを求めるように仕向けられます。

私は、約20年間新聞記者をしてきて、「自分の文章が書けなかった」ことを悔やんでいます。新聞社は、記者が書いた文章をデスクが添削して、商品としての「記事」にします。新聞に掲載されているものは、「新聞社」という「システム」が制作した文章なのです。

そのために私は1994年の『マルチメディア組織革命』から始まって、4冊の本を、自分だけの力で書いてきました。

私たちは、いま、パソコンとインターネットにつないで、自由に情報発信することができます。ところが「読み手」として見たときに、「いい文章だな」と思うことがほとんどありません。ただ「徒然なるままに」書かれているからです。

上手な文章とは、「自分が表現できている文章」です。芥川龍之介夏目漱石も、先人の文章を学びましたが、最後は「自分らしい文章」を身につけたことで、一流の文章家と認められたのです。

つまり「自分磨き」こそが文章上達の王道なのです。それは誰かに強制されるではなく、自分自身が磨いていかねばならないのです。

「稿輪舎」は、塾生の「自分磨き」をサポートします。情報をどうやって収集し、それを消化して、組み立て、自分の表現にしていくか・・・を実践していく中から、「自分流」を確立して頂きます。

稿輪舎では、企画力、取材力(特にインタビュー力)、構成力、言葉を見つける力など、「文章」をキーにしながら、総合的な人間力を身につけられるように、ワークショップ形式で指導します。

稿輪舎は、営利を目的にしていません。受講した方々がもれなく「文章を書く喜び」を持てるように指導します。「一人一人の個性を講師がしっかり把握する」ということで、受講生は6人を定員とします。

私、坪田知己と野田幾子は、この仕事を「新しい文章技法」を普及させるきっかけにしたいと考えています。一緒に学んでいきましょう。


<稿輪舎の名称について>

稿=原稿です。輪=ネットワークです。ネットワーク時代の文章技法を学ぶための学舎です。

もうひとつは「降臨」です。文章を書くために悩み抜いた末、ある瞬間、頭の中に文章があふれ出し、ただそれを書き留める作業に夢中になります。これをライターの間で「降臨が起きた」と称します。

稿輪舎は「降臨」がスムーズに起きるための基礎訓練の場でもあるのです。

<最後に>

この課程を修了すると、あなたには世界が違って見えてくるはずです。どのような事象も、自分のセンスで説明し、インパクトのある表現で伝えられる。

この能力は、プロのライター、記者にならなくても、会社の中での仕事、日常生活でも役立ちます。もちろん就職活動でも。

文章を手足のように操る能力がつき、自分に自信が生まれるはずです。それはきっとあなたの生き方自身をステージアップできることになると思います。


<0期生の感想>

稿輪舎で学んで

正直に告白すると、私は、文章中に有効な情報があるか否かに関心が強い。

良く書けた文章より、正確な数値データや図のほうが役に立つことが多いと思っている。こう思う理由は、私が受けた工学教育の影響が大きいことはもちろんだが、それ以上に、言語という壁の存在がある。

日本語でも、奈良の都の賑わいを伝える素晴らしい古文を私は理解できない。ところが、品名が記された木簡のリストを見れば、都を往来する人や荷車の様子を想像できる。データの扱い方や、英語で書くことを学んだほうが、より多くの人に伝えることができる。いや、音楽や絵画のほうが直接的に伝えられるのではないか。技術を伝えるなら、設計図や実物そのものがよいだろう。

そんなことを普段考えている私が「稿輪舎」の第0期生になった。もちろん、良く書けた文書に出会えば気持ちがよく、上手な文章への憧れがある。でも、そんな心地良さや、憧れに、つき合っていられない貧乏ヒマなしの身分。なのに、何故、参加したのか?

自分でもよくわからないスタートだった。しかし毎月、課題文を書き、提出、添削された課題文について、二人の講師と参加受講者で議論をしているうちに気がついた。

文章の書き方を学ぶことは、自分を知り、他人を知り、

そして、自分を自由にする方法を学ぶこと。

実務上のコミュニケーション、情報伝達という観点では、英語や他の方法を学ぶことも大切だが、日本語で考え、感じることが、私の基本だ。

文章に向きあうことで、それを書いた自分に向き合う。文章が自分を規定していることに気づく。ならば、文書を変えれば、自分が変わる可能性がある。

「文章」への意見、修正に対する、それを「書いた人」の反応を観察して議論に参加する。そうすると「書いた人」が自分の番になったとき、意見や修正に反応する自分が、不思議に客観的に見えてくる。それまでの自分に固執せず、自由にものが考えられる。

さて、この気づきを生かして、どんな風に自由に文章が書けるようになるのか?

色々試してみたくて、今、私はわくわくしている。

そうか、「稿輪舎」は、このわくわく感を醸し出して私を誘ったに違いない。

例年より遅い梅便りを待ちながら、 宮地恵美(2012年2月25日)

(O期生、株式会社MMIP代表取締役

以上