「サービス文明」がやってくる

私たちが暮らしているのは、産業革命後の「工業文明」だ。
次に来るのは「情報文明」といわれるが、それは嘘だ。「情報」は昔から重要だったが、主役にはなれない宿命を負っている。いわば「スーパーサブ

「サービス文明」とは何か?

1)「相手を幸せにすること」に最大の価値を置く文明。

 工業文明は、資本主義と一体で、「自分が勝てばいい」の文明。顧客は道具で、「お金を払ってくれればいい」だった。こういうのを「オープンエンド型」(売ったらおしまい)という。サービス文明は「オープンスタート型」だ。「売った時点からお客様との関係が始まる」。商品を上手に使うためのアドバイスや補修などをきちんと行いリピートオーダーを目指す。
「相手を幸せにした」ことで対価や感謝を得て、自分も幸せになれる。
「利己主義」を克服し、「利他主義」を目指す。

2)不特定多数から特定顧客へ

 「誰でもいいから売ってしまえ」という規模の利益を求めた乱暴なビジネスから、一人一人の顧客を大事に、その幸せを願うビジネスに転換する。
 このため、顧客は匿名ではなく、顕名になる。
「大衆」という言葉は死語になり、一人一人のお客様の名前で呼ばれる。

3)プッシュ型からプル型へ

 とにかく、大量の商品を安く作って市場シェアを高めよう・・というプッシュ型ビジネスは過去のものになる。お客様を知り、その要望を細かく聞いて、「これしかない」商品やサービスを届けるプル型ビジネスが主流になる。
 重要なのはお客様とのコミュニケーションとそれによる信頼。
 企業では働く人が「お客様」。その能力、意欲、生活の仕方をしっかり把握し、ベストマッチングのメニューを作るのが人事部の仕事。「これが標準」ということで弱者を切り捨てるのはご法度。


 機械の猛烈な進歩で「機械の奴隷」になっていた人間(企業は機械を健全に動かすために人間を使役する仕組み)が、改めて「人間らしさ」を回復する「第二のルネッサンス」が「サービス文明」

 上記のことを詳述した「サービス文明がやってくる」を5月末、アマゾンから電子出版します。乞うご期待!