会社は愛すべき「道具」です。

会社を何と考えるか?

 世の中の人の考え方はおかしいのじゃないかと思うことが時々あります。
 その最たるものは「会社は誰のものか」という愚問です。
 ホリエモン騒動で、はしなくも、日本人の大半が「会社は従業員のもの」と
 考え、ホリエモンの「会社は株主のもの」という考えに違和感を覚えた訳ですが、
 私は、従来から「会社はお客様のもの」論を主張し、「お客様に見放された会社」について「従業員のもの」と思っても、「株主のもの」と主張しても、空虚だと言っています。
 
 私の友人の唐澤豊さんが、以下のように、個人のメールニュースに書いています。
 「会社経営はゲームか戦争か」という点では、唐澤さんの話に納得するところが大です。
 
  でも以下の話について、個人的に「異」を唱えます。
  
>仕事は生きるためにお金を稼ぐ単なる手段であると私は考えておりますし、
>欧米人は大体そうだと思います。
>日本人の中には仕事が人生の目的のように思い込んでいる人が多いのでは
>と感じます。

 私は「仕事が人生の目的です」とハッキリ言わせて頂きます。仕事ほど面白い
 「遊び」はないと思います。会社がスタッフや予算をつけてくれたら、ますます
 面白い−−そういう人間です。もちろん食うに困らないお金はいただきたい。
 
 皆さんは「仕事」は「会社にやらされるもの」と考えているのだろうと思います。
 私は「自分がやりたいからやるもの」が仕事だと思っています。
 それをやらせてくれるのが会社で、やらせてくれなかったら、私の創造的な意欲を
他の舞台で爆発させようと考えています。

 ということで、私は、「会社を道具として」仕事をしていくつもりです。
 そんなことを書くと「不遜だ」という人がいるでしょうが、日本人は会社を
 「お社=神社」のように神聖視するからいけないのです。
 ロッキード疑惑の時に、ある商社幹部が「会社の命は永遠です」という遺書を
 書いて自殺しましたが、これは全く愚かなことです。会社ごときに命を預けては
 いけません。会社は道具だからこそ愛すべき存在なのです。
 
 まあ、大事なことは、人生が楽しくなければならない。ということで、やっぱり
 私は「仕事は遊び、遊びは仕事」にこだわりつつ、人生を全うしようと思っています。
 
 


====<以下は唐澤さんのメールニュースから転載>============

会社は誰のものか?という議論がホリエモンのお蔭で活発になってきました。

英語では会社のステークホルダーという言葉をよく使いますが、それを持ち主
と訳すならば、資本家、経営者、労働者、顧客ですから、「株主が会社の持ち
主」というのは間違いであって、それらの中で、優先順位を付けると、株主、
顧客、社員という順番になるのが資本主義の考え方だということになります。

株主だけが会社の持ち主であるというのは、これまた日本独特の間違った
解釈で、マスコミが揚げ足取りの極論として広めてしまったようで、世界には
通用しない考え方だろうと思います。

また、日本人の経営者は会社経営は「戦争」と同じだと考えている人が多く、
欧米人は「ゲーム」と考えている、と聞いたことがありますが、そう考えると、
わかりやすいように思います。

ゲームと考える欧米人は、負けることもあると最初から考えているので、
駄目ならゲームオーバーでリセットしてやり直せばいいと思うわけです。

戦争と考える日本人は競争してどちらかが死ぬまで戦い続けるわけです。
そして負けたら自殺するといったことになるわけです。

日本人は直ぐに「死ぬ気でやれ!」とか言いますよね?
だから倒産したら自殺する経営者が多いわけです。
株式は借金ではないので、倒産したらそれで終わりで、
経営者が個人的にそれ以上の責任を取る必要は無いわけです。
その辺が日本人には余り理解されていないと思います。

個人的に破産したら、自己破産宣言をすればいいわけですが、
「人から金を借りておいて返さないのは犯罪だ!」といったコメントをよく聞き
ます。色々な考えがあるから、共通のルールとして法律を作るわけで、法律
の則ってやることであれば問題ないはずです。それに反して云々するのは、
法治国家・民主主義を無視する昔ながらの部族社会・邑社会と同じです。

私も今の会社で3つ目ですが、先輩から、「今度は死ぬ気でやるんだね?」
と聞かれて、答えに困りました。最大限の努力はしますが、死ぬ気は無い
わけですから、YESとは言えません。
その先輩と組んで起業した米国の大学を出て、米国でのビジネス経験の
長い人が、「ビジネスと死ぬ気云々ということとは違うでしょう!」と助け船
を出してくれたので話は収まりましたが、こういう日本人が多いですね。

仕事は生きるためにお金を稼ぐ単なる手段であると私は考えておりますし、
欧米人は大体そうだと思います。
日本人の中には仕事が人生の目的のように思い込んでいる人が多いのでは
と感じます。

また、日本では、起業する時に、2〜3年は収入が無くても会社がやっていける
だけの資金を集めることなく、借金で運用しようとしていることも問題です。
借金経営だと会社倒産=自己破産となってしまうわけです。
日本では投資家がそこまで投資してくれない、という問題もありますね。

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日本人はまだ民主主義も資本主義も理解していないし、実践できるだけの
リテラシーも持っていない人が圧倒的に多いように思います。

唐澤