やっぱり全英オープンは人生だ

 毎年の恒例で、今年もゴルフの全英オープンの最終日、優勝決定の瞬間をテレビ観戦した。

 ゴルフは好きで、マスターズや全米オープンも見るが、「毎年絶対」ではない。とにかく全英オープンは「絶対」見る。

「なぜ、全英オープンか?」と問われれば、「そこに人生が凝縮されているから」と思っている。

 ハリエニシダに捕まったらアウト、ポットバンカーに入ったら、ピンは狙えないし、プロといえども2度、3度打たないと脱出できないこともある。

 今年は、タイガー・ウッズが、グリーンそばのバンカーに入れ、「万事休すか」と思ったら、バンカーショットがチップインバーディーになった。
2位になったアーニー・エルスも枝に引っかかったボールを打って、10メートル先のラフに入れ、そこからのスーパーショットでパーを拾った。

 数年前には、テレビの解説者が「もうダメですね」と言った18番の谷越えのロングパットが入ってプレーオフになった。17番で3打リードしていたのに。クリークに打ち込んで敗退したプレーヤーもいる。ゴルフの女神がどこで微笑んで、どこで罰を与えるかわからない。

 とにかく、大事なことは、「あきらめない」ことだ。

 今年の全英オープンは、世界ランキング2位のエルスとか、マスターズに勝ったミケルソン全米オープン勝者のグーセンとか、名だたる実力者の中で、日本ツアーで17年も雌伏していたハミルトンが勝った。淡々と、自分のプレーに徹したことが勝因だ。

 18番でティーショットをラフに入れ、パットも外したときは、「もうダメ」の形だったが、エルスが入れごろのパットを外してプレーオフへ。

 解説の青木功氏が言っていたように、「プレーオフは6:4か7:3でエルス有利。でも苦労人のハミルトンに勝たせたい」と私も思っていた。その通りになって嬉しい。いいゲームだったと思う。

 そしてまた、今年もウッズは勝てなかった、ずっとアイアンでティーショットしていたのに、最終日、勝負を賭けてドライバーを使ったのが敗因だと思う。それが全英の女神の不興を買ったのだ。

人間万事塞翁が馬」。しかし、希望を捨てないで努力すれば、きっと花が咲くことをハミルトンは実証して見せた。彼と、最後まで競り合ったエルスの健闘を称えたい。

 いつもは、月曜が寝不足になるのだが、今年は「海の日」。連休にも感謝。